八月末に当て逃げの交通事故に遭い、右足の甲を骨折した。
夜中の十二時半頃、知り合いの店にゆこうと歩道から一歩前に出た時点で、左側から急発進の車が猛烈な勢いで私を跳ね飛ばし、そのまま恵比寿方面に逃走した、私は3メートルほど反対側に跳ね飛ばされたが、幸い足の骨折以外、右手の打撲ですみ、指や手首に影響がなかったことは不幸中の幸いだろう。当然跳ね飛ばされた瞬間、「人をはねたぞ、止まれ!」と大声を出したが、球は真の車はあれよあれよという間に視界から遠のいた。しかも悪いことに当時間小雨が降っており、メガネも飛ばされたのでナンバープレートを読み取ることはできなかった。
直ちに渋谷警察に連絡し事故証明を取り、翌日、病院にて足の骨折と右腕の打撲の治療をした。幸い腕が頭をかばう格好で跳ね飛ばされたが、念の為CTスキャンなるもので頭の損傷の検査もした。
骨折、打撲を治療した医師は、まあ単なる医者然とした普通人であったが、CTスキャの結果を見た脳外科医?は、白衣の下に派手なストライプのシャツを着ており、ネックレス、指輪類美化美化の何とも珍妙な人物で、「あははは、あんた前頭葉が普通の人よりないじゃん。アルコールでしょ、溶けちゃったんだね、あはははは。まあその他に異常は無いけれど、これだけ前頭葉がないって、あはははは、飽きっぽいでしょ」私はだまってその医師を観察していたが、患者にこういう発言を軽々しく話すお前の前頭葉の方が委縮してるんじゃ無いかと悪態を吐きそうになったがやめにした。病院なんか一刻も早くオサラバするに限る。
足の甲を骨折したので、幸い入院はまぬがれたが、二ヶ月近く外にも出られず、カウチに横になっって、ひたすら骨の付くのを待った。足にギブスがはまっているため、トイレに行くにもいざり状態で、ひきこもりとはこのようなことを指すのかなどと、まあ、新しい体験ではあった。自分の事を客観的に見つめたり、今までのことを総括するのにも良い時間であった。
さて、医療費だが、ひき逃げ故、国が医療費の補助を出してくれるということを始めて知った。それには非常に反雑な書類に色々と描き込まなければならない。この場を借りてハッキリ言いたいが、ハンコ文化はもう終わりにしてはどうか。やれ名前が曲がっている、間違えた箇所に捨印などなど、書類が真っ赤になってしまう。こんなもの三文版を買えばいくらでも偽造できるでは無いか。そしてなんだあの朱肉という物体は。焼肉で食うことも出来ないただ赤い丸インクなのに、いきなりハンコの文字が薄くなったりして、肉食的ならもっとタフでいろよな。
さらにこちらが被害者なのに、医療費を請求するには渋谷警察交通課のおまわりの詳しい調書を提出しなければならず、こちらは動けないから、自宅に交通課刑事が来た。別に沢尻エリカでは無いからやばい物隠している訳では無いが、バンドマンの家に刑事がくるというのも、何かちぐはぐだ。オレは被害者なんだぞ。
その調書たるや事細かく全てを書きこまなければならず、「夜中の十二時半になぜ通りへ出たんですか。その時はどちらの方向を向いていましたか」などと根掘り葉掘り聞いてくる。目がおっかない。
再度書くが俺は被害者なんだぞ。「え~、友達の店に行くためにタクシー停めようかなあ、なんて思っていたらいきなり左側から猛スピードで車がバックしてきまして」「色は何色ですか。何人乗っていましたか」「え~っと、窓にスモーク貼ってたから何人かわかりません、色は白だったかなあ。これ事故証明取った時話しましたよね」「もう一度詳しく図に書く必要があるんです」
そんなことやってる暇があるんだったら犯人捕まえろよな!という言葉を飲み込んで、小一時間「尋問」された挙句、「こういう事件は年末で打ち切らざるを得ないんです。その時に同意書に書き込んでもらいたいので、渋谷警察署まで御足労願えますか」
何で被害者のオレがわざわざ警察署行かなければならないんだ?しかもなんだかんだ待たせるに決まっている。
てな調子で二ヶ月療養したおかげで外に出て歩けるようになりました。まあ、焦らずボチボチ演奏活動も続けて行く予定です。渋谷警察署で拳銃が落ちていたら拾ってみんなに見せるから楽しみにしていてください。
ということで、復帰第一弾は何と、水谷浩章b,外山明dsという、まあ日本列島では右に出る者はいないメンバーと下北沢apolloで11月29日に演奏します。左からぶつかられたから右に出るもの無しを選んだんですけれど。至近距離から見る彼らの技は左から衝突されたワタシの右側を大きく広げることでしょう。こうご期待。





