三寒四温 恵比寿2

前回の日記で三寒四温を述べようとしたのだが、文字を表示すると、何故か行間がおかしなことになって、管理人に助けてもらい、やっとのことでまともな文章を掲載できることとなった。と、そうこうしているうちに、三寒四温を語る季節ではなくなってしまった。恵比寿、というタイトルを付けたのは、この言葉の由来が最近になって、元来面白いものであると気付いたからだ。名の由来はもちろん七福神の、あの左手に鯛を抱えているのが恵比須様であり、恵比寿とも明記するという。地名の由来は皆様ご存知の通り、エビスビールの工場があったからに拠るものだが、僕が面白いと思ったのは、恵比須とは夷にも通ずる言葉らしいことを発見したからである。これは偶然の一致だろうが、夷、即ち僻地の野蛮人を指すこの一語が、現代のこの恵比寿界隈を言い表すのに、正に言い得て妙なのだ。恵比寿といっても代官山よりになればなるほど、いわゆる勤め人の数は減り、自分も含め、滅法独立性の高い何かをしている人々でひしめいている。下北沢にもこの手の雰囲気はあるが、ここ代官山近辺となると、その「滅法業種」が更に多彩だ。下手をすると、界隈を散歩していて、出会うカタギはバスの運転手だけと思われる瞬間さえある。美容師さんなどをカタギでないと肯定はしないけれども、やはり自分の腕で何かをしている方々であり、それも何やらいかがわしいのではなく瑞々しいのだから、日々のちょっとした外出が楽しい。平成の世も末の様相を呈してはいるが、まだこの界隈は動きというものがある。まあ、自分のことを棚に上げて好き勝手を書いてしまったが、このような夷の里でピアノなど教えているのだから、我も平成の野蛮人なのだろう。

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