三寒四温 恵比寿

さあてと、随分、しばらく、長い間、日記を書かなかった。その内に、否、日記を書いていた頃からのことではあるが、このインターネットの世界では日記をブログと呼ぶようになって久しいようだ。なんだブログとは。BLOG,と綴る。語源を辿ってみたが探せなかった。髄液からアナログな僕としては、もうすでに全てが時遅しであるが、もともと軍事利用のメールという 便利なんだか不便なんだかよく分からないものから始まって、これらコンピューターに関する全ての用語、語源に関してはお手上げである。お手上げであるから、用語に詳しいわけではないが、INSTALLという言葉を、皆、インスツール、またはインストールと発音する。最初にこの言葉を聞いたときには何のことやら分からなかったが、その指し示す言葉が分かったとき、やはり戸惑った。いずれにせよカタカナでは正しい発音表記はできな
い。強いて書けば、インストォオゥールに近い発音であって、家具や器具を設置するという意味でしか使われていかった。それが今やエレキの力で、職人の手を使わずとも、「インスツール」のボタンを押すと、なんだかワケの分からない棒グラフみたいなものがコンピュータの画面に現れ出でて、「インスツール」するのである。さて、今までの話しとまったく関係はないが、一年ほど前にI MACが壊れたので、やむを得ず、新しいIMACナンチャラを購入したら、映画、「未来世紀ブラジル」に出てきそうなコードレスキーボードとマウスが付いてきた。コードが無いということは掃除をする上で便利この上ないが、手触りの悪いメタリックの盤上に、ボタン状のアルファベットキーが並んでいる。使い勝手悪いことこの上ない。まず指が滑る。何かものを書いている気が全然しない。意外と電池が早くなくなる。以前使っていたキーボードを捨てたことが悔やまれる。まさかこんなに文章が打ちにくい形状に発達したとは思わなかった。なんだこれは。マーケットでレジを売ってるんじゃ無いんだぞ。こう見ても物書きの端くれの端くれである。以前の少し斜めになったキーをカシャカシャという音とともに打つ快感。あれがなくなってしまった。どこそこかのセコハン屋に行けば、旧作はあるのだろうが、それをどう探すかもよく分からない。キザなことを言わせて頂けば、文章は身体で書くものである。タイプライターの様式を受け継いだキーボードに向かって文字をのめり込むようにして打ち込むことが、どれほどの快さと書く内容とその逡巡を受け止めるか、銀盤には分かるまい。畢竟、今書いている文章も歯が浮くよう
である。あれ、今回の日記のタイトルは三寒四温、恵比寿であったが、これは次回に譲るとしよう。しかしまあ、歯が浮くな。

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