練習

今朝は朝練から始めることにしたのだが、別に自慢して書いているわけではない。今晩下北沢APOLLOでライブがあるのは、ライブの欄に告知した通りだ。サックス、ベース、ドラムス共に私より若い。そそて何と、私が彼らの年齢であった頃よりも手練れ感がそこはかとなく匂ってくるのである。この決して音楽業界に良い環境とは言えない中で、彼らは彼らなりに仕事を探し、場数を踏んでいる証佐であろう。皆明るく若いなりに元気一杯だが、その内面はやはりこの時代において音楽をする事を選んだ各々自ら心の中で決め台詞を刻んでいるはずで、その心意気に私も遅れをとりたくないので、朝からピアノを弾いているわけである。私が彼らの年齢だった時は、何とかハラスメントなどという言葉、概念さえも存在せず、駆け出しの頃は、譜面で頭をぶっ叩かれたり、今で言う言葉の暴力など日常茶飯事で、何しろ先輩ミュージシャンは、銀座のナイトクラブのバンマスは特に、大人であったが不良中の不良であった。噺家、三遊亭円生の本「貧乏自慢」の冒頭に出てくる言葉だが、てめえのようにフラフラしていて何も手に付かねえ奴は噺家にでもなっちまえ、というセリフが出てくるが、一昔前のバンドマンは皆その手合いであった。お前なんかちゃんと働かないででフラフラしてんだから、バンドのイーボ(バンドボーイ)にでもなっるしかなかろうと言う事である。またこのイーボという、いわゆるバンドマンの身の回りの世話を焼く係になると、これまた大変だ。足蹴にされる。頭を引っ叩かれるなんていうのは日常茶飯事。言われたことはどんなご無体なことでも、やらなければならない。時代も時もすぎて行くのは早いものだ。私の師匠はあまりご無体な事をさせる人ではなかったが、やはりあるうい意味業界のしきたりは覚えられたが、あの時もっと練習しておけばよかったと思うことが多い。さあ、今晩お夜に向かって鍵盤を弾くぞ。

 

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